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交際相手による児童虐待死 明かせぬ母親たちの心理(産経新聞)

 堺市堺区の岩本隆雅(りゅうが)ちゃん(1)虐待死事件で、母親(21)が大阪府警の事情聴取に対し、交際相手の無職、古田島昂志(こたじま・たかし)容疑者(23)=傷害致死容疑で送検=の存在を当初は明かしていなかったことが21日、捜査関係者への取材で分かった。泉大津市の虐待事件でも、母親(26)が、傷害容疑で逮捕された同居男の虐待を周囲に隠していた形跡がうかがえる。専門家は「交際男性との関係を壊したくないため、わが子への虐待を打ち明けられない心理が背景にあるのではないか」と指摘する。

 ■捜査員も気づかぬ「男の存在」

 関係者によると、堺市の事件では、母親は頭をけがした隆雅ちゃんを連れ4月3日に病院で受診した。その際、母親は「1人で子供を育てている。虐待はしてない。同居人はいない」などと説明、古田島容疑者の存在は明かさなかった。

 隆雅ちゃんが死亡した14日に救急隊員を呼んだ際にはドアに鍵をかけ、母親1人で対応。玄関先から隆雅ちゃんを搬送した救急隊員は、部屋にいた古田島容疑者に全く気がつかなかったという。この日の府警の事情聴取でも、捜査員が近所の聞き込みを手がかりに質問するまで古田島容疑者の話をしようとしなかった。

 捜査関係者によると、古田島容疑者は1月、母親と内縁関係になり、隆雅ちゃんと3人の生活を始めた。同居直後から「しつけ」として隆雅ちゃんの頭をたたくなどしていた古田島容疑者に対し、母親は「怒るときは私が怒る」と一度は抗議したが、虐待を周囲に打ち明けることはなかった。

 府警によると、古田島容疑者は「子供の世話で鬱憤(うっぷん)がたまっていた。自分で自分を止められなかった」と供述。「母親も手を出していた」とも供述しているという。

 一方、泉大津市で4歳の女児が無職、内田優容疑者(26)=傷害容疑で逮捕=に殴られ、けがをしたとされる事件でも、母親は、内田容疑者の暴行2日後に女児の顔のあざに気づいた市立保育所の保育士に対し、「実家に預けたときにできたのかな」などと説明していた。

 捜査関係者によると、母親は内田容疑者の暴行直後にあざに気づいていたというが、周囲には相談していなかった。不自然だと感じた保育士が事情を聴くうちに内田容疑者と同居していることが判明。あざも内田容疑者の暴行によるものと分かり、「そういう状態では(女児を)一時保護せざるを得ない」と説得した末、ようやく母親は「実は(内田容疑者に)私も暴行を受けている」などと打ち明けた。

 碓井真史・新潟青陵大教授(社会心理学)は「母親は交際相手との関係を壊したくないあまりに、虐待から子供を守れず、周囲にも打ち明けられなくなっていたのではないか。なかには、交際相手に気に入られようと、一緒になって虐待をしてしまう事例もある。こうした家庭が孤立しないよう親族や行政の一層の配慮が必要だ」と話している。

      ◇

 泉大津署は21日、傷害容疑で内田容疑者を大阪地検岸和田支部に送検。内田容疑者は午後0時半ごろ、両手で顔を覆うようにして車に乗り込み、泉大津署を出た。

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